長男、幼稚園最後の運動会でした。
年少、年中の頃から、かけっこで1位になりたいという人で、でも練習でも1位を取れるのはときどきだから、あまり期待しないようにしていて。
「転ばないで一生懸命走ればいいのよ」なんて言う人もいたけど、それ、転んだ時にかける言葉ないよね、って思ってた。
おゆうぎ会などでも失敗して泣いちゃうことがあったけど、失敗しないことが大事なんじゃなくて、失敗してもめげずにやることが大事なんだろうって思っていた。
将来のことを考えても、幼稚園の行事で失敗しなかったっていう経験が何かに生きるとは思えなくて、失敗してもやり抜くってことこそいい経験になるんだと思う。
運動会の日。
「失敗しても、すぐに気持ちを切り替えて最後まで頑張ることが大事だよ。失敗したってそんなのは全然大したことじゃなくて、それでも全力でできる人がすごいんだよ」みたいなことを言った。
これは私の価値観というよりは、失敗を気にしすぎる息子のために用意した言葉って感じだ。
最初は組体操。
三重塔で一番上に乗る時に何度か失敗してすぐに乗り直してようやく成功。
和太鼓では、よくわからなかったけど「ちょっと間違えたからその後にしっかり腕を伸ばした」みたいなことを言ってた。
最後はクラス対抗リレー。なんとバトンを受け取ってから転んだ。接戦だったので2人に抜かれた。でもすぐに起き上がって、最後まで走ってバトンを渡した。
その日の夜にどんな気持ちだったか聞いてみた。
「何もないところで転んだ」
「ママの言ったこと思い出した?」
「うん。あと、『はじめのことば』(開会式で代表の子たちが言う)で『転んでも泣きません』って言ってたでしょ。だから『泣いちゃだめだ。泣いちゃだめだ』って思って、ちょっと泣いちゃったけど、頑張って走ったの」
そこまで話すと目をシパシパさせて涙を目に浮かべる。
「話すとまた泣けてくる」
私もホロリ。
「走り終わってどんな気持ちだった?」
「かなり、いい気持ち」
それはよかった。
転んだときにいったん4位になったけど、その後みんなが頑張って2位でゴール。
いろんな角度で見ていたお母さんたちが「涙をこらえてバトンを渡してた」「終わった後に足を引きずってた」「起き上がりの早さに感動」など教えてくれて、3年間同じクラスでみんなが成長を見ててくれてるんだなって嬉しくなった。
何より、転んだけど最後まで走り抜いて、すがすがしい気持ちになったっていうのは、とっても自信になると思うし、親としてもことあるごとに言っていこうと思う。