2016年8月16日火曜日

小一男子の揺れる思い

小学生は、面白い。
人間のきれいごとではない姿が赤裸々に現れている。

いなくてよかった

小一の長男が、
「今日A君がお休みだったんだけど『Aくんいなくてよかったね』ってB君が言ってた」
という。ただ、それだけ。
事実を言うだけなんだけど、一日にたくさんのできごとがあった中で私にそれを話すというのは、なんか思うところがあったんだ。
「ふーん、どう思う?」
「俺は、いなくてよかったなんて思わない」
「だったら、そう思っていればいいんじゃない」
ちゃんと考えてくれれば、それでいいかな。

飽きる

「なんかさあ、同じ人とばっかり遊んでると飽きるよねえ!」
「いろんな人と遊べばいいじゃん」
「でも、いつも同じ子が遊ぼうって言ってくる」
「じゃあ、他の子も誘えば?」
「そっかー、そうする」

普通でしょ!

「WONDER」という本を読んで、

(生まれつき顔に障害のある男の子が、中学校へ通い始め、いいことやいやなことがあるという話)
長男が「どんな話? 教えて教えて!」と言うので、いろいろ説明した。
「学校で、オーガスト(主人公)に触っちゃった子が『なんとか菌』って言って付けあったりするんだよ」
「それ、普通でしょ!(笑)」
母としてはショックだけど、まあ子どもなんてそんなもんだろう。
「うーん、オーガストはどんな気持ちだと思う?」
「え、やな気持ち」
「そうだよねえ」
「長男君がそんなことされたどう思う?」
「え、悲しい」

虫の死

虫を絶対に殺さないように指導するのが、教育だと思っていた。(蚊は叩くけど・・・)
でもあるときどこかで読んだか、聞いた。
「今の子は虫も殺さない。でも私たちが子どもの頃は虫を殺した経験があるから、それで命のなんたるかを自分で考えるきっかけになった」
ひとまず「殺さないで」とは言うけれど、そういう経験がのちのちに生きることってある。

私も、アリの巣の入り口をことごとく潰して回ったことがあった。
大人になってからも、ずっと覚えている。
夢中になって楽しかったというのもあるかもしれないけど、その時にアリの生活を考え、自分の残酷さと向き合った大きなできごとだったんだと思う。
(今になって思えば、入り口をふさぐぐらい、アリにとっては大したことないってわかるけど)

だから、「こう振る舞うのが正解です」と頭ごなしに教えるんじゃなくて、自分の心の内にある残酷さや利己や快楽などをちゃんと見つめて欲しいなって思うわけです。
まだ「正しい振る舞い」をよく知らないから、スタンスがまだゆらゆらしていて、それがなんとも愛おしいなと思う日々です。