2018年5月24日木曜日

HSC(Highly Sensitive Child)という気質について。敏感すぎる子ども

長男が小さいころ、怒ると手が付けられなくなる彼に、すごく困り果てていた。
ネットで調べても、4歳以上の子どもが癇癪がひどくて……という記事は全然見当たらない。親のしつけが悪い、と書いている人もたくさんいる。
周囲には、長男ほど激昂するような子どもはいない。

初めての子どもで、どう育てていいかわからなくて、「ちゃんと」しつけをしなくちゃいけないんじゃないかとか、苦しかった。驚きの目で見る周囲の反応も正直、気になった。

だけど、たくさんたくさん調べて、子どもの様子を見て、こういうものだと思うようにした。ほとんどの人には理解されないし、悪いことだと捉えられるけれど、彼の特性を押さえつけてはだめなのだと半ば直感で信じて、完璧にはできないけれど、彼の感情を長所として大事にしようと思ってきた。

幸いにも彼はとてもよい子に育っていると私は思っているし、このまま育ってくれれば間違いないと思える。

昨日、縁あって、HSC(Highly Sensitive Child)という気質を持つお子さんのお母様にお会いすることができた。

HSC子育てラボ
を運営している
kokokakuさん

たくさん話をして、kokokakuさんのブログも読んで、長男はHSCなのではないかと思った。

【HSC・HSPの特徴】疲れやすい、傷つきやすい、人づき合いが苦手?

こちらのブログに書かれているんだけど、

①すぐにびっくりするなど、刺激に対して敏感である。細かいことに気がつく。些細な刺激や情報でも感知して深く処理する。
まさにそうで、めちゃくちゃすぐにびっくりする。
友だちと遊んでいて相手が泣いてしまったときも、驚いて、悲しみに暮れてしまう。

②過剰に刺激を受けやすく、それに圧倒されると、ふだんの力を発揮することができなかったり、人より早く疲労を感じてしまったりする。人の集まる場所や騒がしいところが苦手である。誰かの大声や、誰かが怒鳴る声を耳にしたり、誰かが叱られているシーンを目にしたりするだけでつらい。
長男と次男が電車でふざけていると、あまりに不機嫌そうに文句を言う女性がいて(「降りろよ」とか言われた)、少し私と言い争って(私も全然余裕がなかった)、大したことはなかったのだけど、長男はひとりではらはらと泣いていた。次男はケロリ。

③目の前の状況をじっくりと観察し、情報を過去の記憶と照らし合わせて安全かどうか確認するなど、情報を徹底的に処理してから行動する。そのため、行動するのに時間がかかったり、新しいことや初対面の人と接することをあまり好まず、慣れた環境や状況が変わることを嫌がる傾向にある。急に予定が変わったときや突発的な出来事に対して混乱してしまいやすい。
自転車に乗るときも、ものすごく慎重に進む。だから超遅い。

④人の気持ちに寄り添い深く思いやる力や、人の気持ちを読み取る力など『共感する能力』に秀でている。細かな配慮ができる。
私の気持ちにすぐ気が付く。「なんかやなことあったの?」とか言うし、実際話すと鋭い言葉で癒してくれる。

 ⑤自分と他人との間を隔てる「境界」がとても薄く、他人の影響を受けやすい。他人のネガティブな気持ちや感情を受けやすい。
これは、どうかな。具体例が思い出せないけど。

⑥(*1)直感力に優れている。漂っている空気や気配・雰囲気などで、素早くその意味や苦手な空間・人などを感じ取る。先のことまでわかってしまうことがある。(*2)直観力がある。物事の本質を見抜く力がある。物事を深く考える傾向にある。思慮深い。モラルや秩序を重視する。正義感が強い。不公平なことや、強要されることを嫌う。
強要されることはとにかく嫌う。本質を見抜く力があるとは思うけど……。親のひいき目が入りそうだからよくわからないかな。

⑦内面の世界に意識が向いていて、豊かなイマジネーションを持つ。想像性・芸術性に優れている。クリエイティブ(創造的)な仕事に向いている。
これも、どうなのか。美術は習っていて、とてもすてきな作品を作るなとはいつも思う。

⑧静かに遊ぶことを好む。集団より一人や少人数を好む。1対1や少人数で話をするほうがラク。大人数の前や中では、力が発揮されにくい。自分のペースで思索・行動することを好む。自分のペースでできた方がうまくいく。観察されたり、評価されたり、急かされたり、競争させられたりすることを嫌う傾向にある。
これは、そうでもなくて、大勢で遊ぶのが大好き(でも知らない人がいるとつらい)。だからHSCという言葉を知った後も最初はあてはまらないと思っていた。ただ、昨日話をしているときに、kokokakuさんの旦那さまが「HSS」を教えてくれた。
生まれつき新奇追求性の強い子どもは、HSPとは別の性質、新奇追求型(HNS:High Novelty Seeking)、あるいは刺激追求型(HSS:High Sensation Seeking)と呼ばれています。(http://hsp-smile.hatenablog.com/entry/2017/12/21/121612 より)
このふたつは、HSCの中でさらに細かく分類されるというか、複雑なものが絡まっているらしい。うちの子どもはまさに、HNSかHSSだと思う。もっというと……私もこれだと思う。(HSCの子どもの親は、どちらかあるいは両方がHSPというケースが極めて多いのだそう。HSPはHighly Sensitive Personで、HSCの大人版)

⑨自己肯定感が育ちにくい。外向性を重要視する学校や社会の中で、敏感な気質ゆえに外向性を求められることを苦手に感じることが多く、人と比較したり、うまくいかなかったりした場合に自信を失いやすい。
「俺なんて生まれてこなきゃよかった」とか、よく言うんだよね悲しいことに。
ちなみに私も、自己肯定感は低いと思う。「低くない」「低いわけない」みたいに周りにはよく言われるけれど。子どもの頃の環境はふつうだったし、いろいろと器用にできるほうだったはずなのに、どうしてだろうって思っていた。でもそれは、自分の持つ気質が原因だったのかもしれない。(ちなみに最近は、よくなってきたけど)

⑩自分の気質に合わないことに対して、ストレス反応(様々な形での行動や症状としての反応…HSCの場合「落着きがなくなる」「泣きやすい」「言葉遣いや態度が乱暴になる」「すぐにカッとなる」、「発熱」「頭痛」「吐き気」「腹痛」「じんましん」など)が出やすい。感受性が強すぎ、繊細すぎるために、学校や職場での環境や人間関係から強いストレスを感じてしまい、不適応を起こしやすい。人の些細な言葉や態度に傷つきやすく、小さな出来事でもトラウマとなりやすい。
これがまさに「激昂する」という特徴なんだと思う。とにかく怒る、殴る、叫ぶ、泣く。ちなみに次男も長男ほどではないにしてもすぐ怒るし、傷つきやすい。 怒りっぽいのは夫の遺伝子だと思っていたけれど、私だったのかな。

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このことを知って、子どものことがとてもよくわかったし、周囲が理解してくれない理由もわかったし、そして、自分のこともわかった。
長男や私のように苦しんでいる人がまだまだいるなら、HSCのことが、もっとちゃんと広まって、いろんな人が生きやすくなればいいなと思う。

知るだけで、全然違う。許される感じがするよね。